脚の長さ(下肢長)の計測方法 ~実際の現場で使われている方法~
- 村田育子(Ikuko Murata)

- 9月23日
- 読了時間: 5分
更新日:10月4日
「痛みなどの身体のトラブルの解決・予防」
をコンセプトに
パーソナルトレーナーとして活動しています、
理学療法士の村田育子です。
「姿勢改善」「ボディメイク」を得意としています^^
本日は
「足の長さ(下肢長)の計測方法 ~実際の現場で使われている方法~」
というテーマでお話してみたいと思います。
経験年数の浅いPTさん向けのお話になるかと思います。参考になれば幸いです!!

【目次】
1. 学校で習う下肢長の計測方法
2. 病院で使用される下肢長の計測方法
3. 棘果長・転子果長が “使いにくいな…” と感じる理由
4. 私の経験談
5. まとめ
1. 学校で習う下肢長の計測方法
理学療法士の学校では
下肢長の計測方法を2つ習いました。
1)棘果長(きょくかちょう)
2)転子果長(てんしかちょう)
です。
まず一つ目の「棘果長」は
・上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
・内果(ないか)
の距離を言います。

骨盤~内くるぶしまでの距離です。
二つ目の「転子果長」は
・大転子(だいてんし)
・外果(がいか)
の距離を言います。

太ももの外の出っ張り~外くるぶしまでの距離です。
2. 病院で使用される下肢長の計測方法
病院でも実際に使われるのは
同じく「棘果長」と「転子果長」です。
しかし実際は “使えないな…” というのが
私の正直な感想です。
なぜかと言うと…
3. 棘果長・転子果長が “使いにくいな…” と感じる理由
“使えないな…” と私が感じてしまう理由3選!
① 筋肉や服の厚みで上手く測れない
メジャーが接触する筋肉や服の膨らみ具合で
計測結果が左右される可能性があります。
メジャーが当たる部分が反対より凹んででいたら
(筋肉が萎縮していたら)
脚は「短く」計測される可能性があります。

もしくはは服が厚い or シワがついていたら
その分 脚は「長く」計測されてしまいます。

実際これら影響は少しだけで
以下②③が結構 影響すると感じています↓
②骨配列や骨形態の左右差
例えば「転子果長」を測るとして
膝が内反していると(O脚だと)
メジャーが当たる部分がカーブするので
転子果長は「長く」計測されてしまいます。

よくある下腿の外側偏位も
同じように「長く」計測されてしまいます。
また転子果長では
頚体角に左右差がある場合
脚長差を判断する有効な指標にはなりません。

(↑大げさに書いています💦)
また「棘果長」で指標とする「上前腸骨棘」は
ほとんどの人で高さの左右差が微妙にあります。
骨盤内での寛骨の前傾・後傾があるからです。

寛骨が前傾している方(AS側)では
上前腸骨棘は「下がる」ため
棘果長は「短く」計測されます。
そして寛骨が後傾している方(PI側)では
上前腸骨棘は「上がる」ため
棘果長は「長く」計測されてしまいます。

また足首のポジションで
内果・外果の位置も簡単に変わってしまいます。
つまりこのような状態では
「脚長差がなくても脚長差ある」
という結果になる可能性がある
ということです。
③骨のランドマークのとりにくさ
上前腸骨棘、大転子、外果、内果
これら指標となる骨の「どこをとるか」で
計測結果は変わってしまいます。
特に大転子は大きいです。

大転子の「上端」を取る
大転子の「一番突出している所」を取る
などと言われはますが
股関節のポジションの左右差によって
または前捻角の左右差によって
全く同じポイントをミリ単位で正確に取る
というのは普通に難しいと思うのです…。
以上3つ
① 筋肉や服の厚みで上手く測れない
②骨配列・骨形態の左右差
③骨のランドマークをとることの難しさ
この3つが
棘果長・転子果長が “使いにくいな…” と感じる
私なりの理由です。
(有効に使えている人は聞き流してほしいっ💦)
4. 私の経験談
もちろん私が実習生の時は
「棘果長」も「転子果長」も
しっかり計測しました。
しかし「わたし、全然上手く測れない」
と思っていました。

理学療法士として病院で働きだして
最初の頃は測っていましたが
「やっぱり全然上手くできない」
と思っていました。

そうこうしているうちに
「どうせ信頼できる値を出せない」
という気持ちにからか
脚長差がありそうだな、と思っても
メジャーを出してくることは段々となくなっていきました。
しかしその時は突然来るのです…。
ドクターから
「棘果長と転子果長、測っといて」と言われて
テンパる私!!
テンパりながら計測。
全く測れてる気がしない!!

そんな状態で脚長差にどう対処すれば良いのか
良く分かっていない私でしたが
運よく脚長差について学ぶチャンスがあり、今に至ります。
次の記事では
現在 私が使っている脚長差のチェック方法について
お話してみたいと思います!!
6. まとめ
・下肢長の計測方法は2つ「棘果長」と「転子果長」
・どちらも正確に計測するのは難しいと思う
・計測が難しい理由 1)筋肉や服の厚み
・計測が難しい理由 2)骨配列や形態の左右差
・計測が難しい理由 3)骨ランドマークの取りにくさ
本日は以上です。
お読み頂きありがとうございました。
この記事が皆様の健康の一助となりますように(^^)
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