【筋肉/関節のトラブルに対する解決・予防の考え方をブログとYouTubeで発信しています】
こんにちは。理学療法士/パーソナルトレーナーの村田育子です。
現在「脚長差(脚の長さの左右差)」についてシリーズで解説中(シリーズ目次)。
前回の記事から「脚長差の原因」について一つずつ解説しています。

本日は「成長期の骨折によって生じる脚長差」について解説します。
※「骨の成長のメカニズム」について触れていきますが、今回の記事での「成長」とは「長管骨の縦方向への成長」についてであり、横方向への成長や長管骨以外の成長については他に譲ります。
・子供の頃に骨折や捻挫をしたことがあり脚長差が心配な方
・子供が骨折してしまった親御さん
に是非読んで頂きたい頂きたい内容です。
【目次】
1.子供の骨と大人の骨の違い
その差は一目瞭然です。
さっそく見てみましょう。左股関節のレントゲンです。

明らかに違いますよね!
ほら、こっちの骨は・・・割れてますよね!

でもこれ、割れている訳ではなく実際は「軟骨」でつながっています。
レントゲンでは軟骨は黒く透けて映るので、こうやって分断されているように見えるのです。
この軟骨の部分を「骨端成長軟骨板(こったんせいちょうなんこつばん)」と呼びます。
そう、この割れてる方の骨は子供の骨でした~。
2.骨端成長軟骨板とは?
その名の通り、骨の成長はこの「骨端成長軟骨板」で行われます。
この部分では、細胞はこんな感じで綺麗に整列しています。

ここで細胞がどんどん細胞分裂をして増えます。

そして大きくなります。

そしてその増えた細胞は石灰化し、軟骨から骨となります。
(これを内軟骨性骨化と言います。)

このようにして骨はぐんぐん長くなります。
そしてある一定の時期を迎えると
この軟骨部分は全て骨化し、骨の成長は止まります。
レントゲンで見ても、黒い分断するような線は見えなくなります。
これを骨端成長軟骨板の「閉鎖」と言います。
成長期の終了!という訳です。
3.骨端成長軟骨板を骨折すると
この骨端成長軟骨板を骨折すると、どうなるでしょうか?
成長、止まってしまうでしょうか?
そんなことはありません。
骨端成長軟骨板を損傷したとしても
ズレずにしっかり修復されればその後の成長には影響がないと言われています。
しかし軟骨の損傷の仕方が複雑な場合
通常より早期に軟骨板が閉鎖してしまうことがあります。
つまり一部分だけ成長がストップしてしまうということです。
これ、脚で起こると完全に脚長差の原因の一つとなりますよね。
つまり脚長差の原因の一つとして
子供の頃の骨折、特に骨端成長軟骨板の損傷
が挙げられます。
4.まとめ
・子供の骨には骨端成長軟骨板がある
・軟骨板で骨は長軸方向に成長する
・軟骨板の骨折は脚長差の原因となりうる
しかし私の実際の臨床では、これが原因っていうこと、実はあんまりないんですよね(゜゜)
次回はまぁよく遭遇する「ヒューターフォルクマン則が原因での脚長差」について解説していきます。
今回の記事で解説した「骨端成長軟骨板」が効いてきます。つづく(^^)/
同じ内容を動画でも解説しています → YouTube
お読み頂きありがとうございました。
この記事が誰かの身体のトラブルの解決の糸口となりますように。
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