成長期における立ち方の癖やスポーツは脚の長さの左右差を作り出すのか? 答え:イエス

東京を中心にパーソナルトレーナー・理学療法士として活動しています、村田育子です。


現在「脚長差(脚の長さの左右差)の原因」について解説中(シリーズ目次)。


今回の記事では「成長期での荷重の偏りよって生じる脚長差」について解説していきたいと思います。



・左右の脚の長さが違う気がする方


・成長期のお子様を持つ親御さん


・小中学校での部活の顧問の先生


に是非読んで頂きたい頂きたい内容です。





【目次】


1.成長期における立ち方の癖やスポーツは脚長差の原因となるのか?


2.骨の成長の法則 ~ヒューター・フォルクマンの法則~


3.ヒューター・フォルクマンの法則のメカニズム


4.ヒューター・フォルクマンの法則で脚長差が生じた症例


5.まとめ




1.成長期における立ち方の癖やスポーツは脚長差の原因となるのか?


結論から言うと、答えは「イエス」



子供時代における


・左右どちらかに体重が偏った立ち方


・左右どちらかの足を踏み込むスポーツ


これらは脚長差を生じさせる主要な原因となります。





2.骨の成長の法則

骨の成長には「ヒューター・フォルクマンの法則」というのがあります。


ヒューターさんとフォルクマンさんが提唱したもので


骨端成長軟骨板への圧縮ストレスの過剰が骨の成長を減少させ


逆に圧縮ストレスの低下(または伸張ストレス)は成長を増加させる


という法則です。


(骨端成長軟骨板については前回の記事をどうぞ)


例えば、左脚にばかり体重をかけて立つ癖は


左脚の軟骨板への圧縮ストレスが過剰となり


左脚の成長が減少してしまう。


結果、左脚の方が短くなる、ということです。





※ここで前々回の記事を読んで下さった方から「ええーー言ってること逆やん」と言われそうですね。汗

確かに軟骨板に圧ストレスがかからないと成長は進みませんが、「過剰」でも成長は抑制されてしまいます。



3.ヒューター・フォルクマンの法則のメカニズム 

軟骨板への圧縮ストレスが過剰になると、なぜ骨の成長は減少してしまうのでしょうか?


細胞レベルでは何が起きているのか?


ウサギを使った実験の結果を一緒に見ていきましょう。



前回の記事で触れましたが、軟骨板の細胞は綺麗に整列して並んでいます。



ここに過剰な圧縮ストレスがかかり続けると、この細胞の配列が無秩序になったそうです。

(細胞の並びが「ぐちゃっ」となった。)



そして細胞を取り巻く部分(細胞外マトリックス)が減少し、


そこに存在するコラーゲンなどのタンパク質に化学的な変性があったとのこと。

(免疫組織化学的染色が弱くなったとのことです・・・私、化学的なことは良く分かりませんが汗、タンパク質が脆弱になったそうです。)




圧縮ストレスにより細胞の位置がぐちゃっとなり、

細胞外の基質が減ってしかもタンパク組成が脆弱になり

軟骨板における細胞分裂や細胞肥大(=成長)を減少させる


これが骨の成長が減少するメカニズムです。





4.ヒューター・フォルクマンの法則で脚長差を呈した症例

さて次は実際の私のクライアントさんの事例を紹介していきます。



右脚にばかり荷重してきた方。案の定右脚が短い↓


こちらの方も右脚に体重かけてきた。右脚が短い↓


こちらの方は頭を左に傾ける癖から重心が左に偏っている。左脚が短い↓


こちらの方は長時間の電車通学を左手で吊革につかまりながら左重心で耐えてきた。左脚が短い↓


写真はないのですが、


・テニスで右脚ばかり踏み込んで右脚が短い方

・剣道で右脚で踏み込んで右脚が短い方

・クリケットで右脚が短い少年

・走り幅跳びの着地で片方が短い方・・・などなど


とにかくスポーツは左右対称の動きであることの方が逆に少ないので、挙げるときりがないくらい色んなケースを経験してきました。




このように知らず知らずにうちに、成長期におけるちょっとした荷重の左右差で生じてくる脚長差。


私の臨床経験上、これらは本当によくよく遭遇します。


実際これはそんな病的な話ではないのでミリ単位の脚長差です。2㎝も3㎝も差はないです。


脚のミリ単位の長さの違い、普通に生活していたら気付けないと思います。


でもそのミリ単位の差は、少しずつしかし着実に身体に負担をかけ、ある時トラブルを引き起こします。





脚長差はこのように誰にでも生じる可能性があるので


①チェック→対策が大事


②お子様が偏って立つ癖があったら「真っすぐ立たんか~い!」とお父さんお母さんが指導して欲しい


そして左右差が強いスポーツを指導する部活の先生においては


③左右均等化させるコンディショニングを部活の最後に組み込むとか、生徒への教育をするとか何かしら対策しながら指導して欲しい・・・というかまずはこの危険性を知って欲しい!


ということを、私は声を大にして言いたいです。





大人になって身体にトラブルを抱えてからの対処に携わる理学療法士の私の立場から言わせてもらうと


「後から対処するの、結構大変だよ?」です。




5.まとめ

・軟骨板が存在する成長期において、軟骨板への過剰な圧ストレスは組織の変性を起こす

・組織変性は骨の成長を減少させる

・これをヒューター‐フォルクマン則と言う

・これが片側で生じると脚長差の原因となる

・特に立ち方の癖やスポーツに注意が必要

・多くの親御さんや部活の先生に知ってもらうことで少しでも将来のトラブルの予防に繋がると信じています



同じ内容を動画でも解説しています → YouTube


お読み頂きありがとうございました。

この記事が誰かの身体のトラブルの解決の糸口となりますように。



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