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脚長差の原因 ~変形性股関節症~

  • 執筆者の写真: 村田育子(Ikuko Murata)
    村田育子(Ikuko Murata)
  • 2021年9月28日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月25日



「痛みなどの身体のトラブルの解決・予防」


をコンセプトに


パーソナルトレーナーとして活動しています


理学療法士の村田育子です。


「姿勢改善」「ボディメイク」を得意としています^^





本日は


「変形性股関節症によって脚長差は生じるのか?」


というテーマでお話してみしたいと思います。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク


【目次】


1. 変形性股関節症とは


2. 変形性股関節症で脚長差を生じる理由


3. 逆に、脚長差が原因で変形性股関節症になるのか?


4. 脚長差が原因で変形性股関節症を呈した症例


5. まとめ





1. 変形性股関節症とは

変形性股関節症とは


股関節の関節面が摩耗して削れ


徐々に変形した状態


を言います。

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 向かって右が変形性股関節症

主な症状は股関節の痛みで


股関節の動きも制限されていきます。





2. 変形性股関節症で脚長差が生じる理由

変形性股関節症によって


脚長差を生じる可能性がありますが、


その理由はいたってシンプルで


関節が摩耗して削れた分、脚が短くなるからです↓

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↑向かって右の股関節では


関節面が削れて隙間がなくなっています。


そうなると、脚が短くなるのは明らかです。




また、このような状態では


大腿骨のボール(以下:大腿骨頭)は


はまりが悪くなり


上外側へズレやすくなります

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赤矢印:床から押される力      青矢印:骨頭は上外側へズレる

このように大腿骨頭が上外側へズレると


骨頭がズレた分


脚はさらに短くなります




以上の


・関節面の摩耗による削れ


・大腿骨頭の上外側へのズレ


これらが、変形性股関節症で脚長差を生じる主な理由です。





3. 逆に 脚長差が原因で変形性股関節症となるのか?

では、これとは逆に「脚長差が原因で」


変形性股関節症になってしまうこと


あるのでしょうか?



はい、あります。


本題からはズレますが


本日はむしろこれを伝えたいっ!




まず、脚長差があると


骨盤が傾きます。


脚が長い方の骨盤が高くなります。


そうすると


長い方の大腿骨頭は


「上外側に」ズレやすくなります。


そうなると


骨盤のカップの外側と衝突し


股関節は局所的に摩耗していきます

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また単純に脚が長い方には体重もかかりやすく


股関節への圧縮力も強くなります




これらの「ズレ+圧縮ストレス」が毎日繰り返されることで


脚長差が原因で


特に「脚が長い方の股関節」が


変形性股関節症に移行してしまう可能性があります。




臼蓋形成不全(骨盤カップが浅い)などがなければ


「変形性股関節症」と


診断がつくレベルにまでならないにしても


脚長差が股関節に負担をかけるのは事実です。




ただこれは裏を返せば


脚長差への対応を適切に行えば


脚長差が原因での変形性股関節症は


ある程度予防できる


ということでもあります。





4. 脚長差によって変形性股関節症を呈した症例

40代後半(50代前半だったかも)、女性。


一側の股関節に痛みがあり受診。


変形性股関節症の診断。


可動域制限はなく、むしろ緩い(特に伸展方向)。


脚長差があり、例のごとく


長い方の股関節の変形が始まっている状態でした。



ここで私がびっくりしたのが


臼蓋形成不全は全く「なかった」のです。



それなのに


40後半の若さで変形性股関節症です。



この方が


この若さでかつ臼蓋に問題がなかったにも関わらず


変形性股関節症になってしまった理由として


・脚長差


・関節の緩さ(関節弛緩性 Laxity)


・sway back姿勢


が挙げられました。

理学療法士 パーソナルトレーナー パーソナルトレーニング ジム 東京 予防 ボディメイク
sway back姿勢

この方、びっくりするくらい姿勢が悪かった…。


sway back姿勢では


大腿骨頭は前方にズレ


股関節は不安定になります。



この「姿勢の悪さ」


「脚長差」「関節弛緩性」が揃ってしまい


臼蓋には問題がなかったにも関わらず


変形性股関節症になってしまった症例でした。




脚長差への対応(インソール)とともに


姿勢修正の指導を行いましたが


いかんせん関節の変形は進んでいたので


ドクターにはオペを勧められて


ご本人は悩んでいる状態でした。




関節が変形する前の段階で


脚長差への対応と姿勢の修正ができていたら


さすがにこの若さで変形性股関節症に移行することはなかったのでは…


と考えさせられた症例でした。





5. まとめ

・変形性股関節症では関節面が削れ変形する


・関節面が削れた分、患側が短くなる可能性がある


・逆に脚長差で変形性股関節症となる可能性もある


・脚長差が原因での変形性股関節症は予防したい





本日は以上です。


お読み頂きありがとうございました。


この記事が皆様の健康の一助となりますように(^^)/




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