脚長差の原因 ~人工股関節全置換術(THA)~
- 村田育子(Ikuko Murata)
- 2022年9月11日
- 読了時間: 3分
更新日:8月6日
「痛みなどの身体のトラブルの解決・予防」
をコンセプトに
パーソナルトレーナーとして活動しています、
理学療法士の村田育子です。
「姿勢改善」「ボディメイク」を得意としています^^
本日は
「人工股関節全置換術で脚長差は生じるのか?」
というテーマでお話してみたいと思います。

【目次】
1. 人工股関節全置換術とは
2. 人工股関節全置換術で術後に脚長差が生じる理由
3. 人工股関節全置換術で脚長差を呈した症例
4. まとめ
1. 人工股関節全置換術とは
股関節を「人工の関節」に取り換える手術を
「人工股関節全置換術(THA)」と言います。
「変形性股関節症」の重度に適応となります。
・太もも側のボール(大腿骨頭)
・骨盤側のカップ(臼蓋)
どちらも人工物に置き換える手術です↓

2. 人工股関節全置換術で脚長差が生じる理由
理由はシンプルで
元々の骨を取り出して人工物に取り換えるのです、
1mmも違わずに全く同じ長さにする…
というのは、そもそも難しいからです。
詳しい内容は以前の記事
「“人工骨頭置換術”で脚長差が生じる理由」
でお話したのとほぼ同じです。
( こちら の記事参照)
人工股関節全置換術では
人工骨頭に加え「臼蓋(骨盤側のカップ)」
も人工物に取り換える訳なので
単純に脚長差が出る確率は上がりそうな気がしますよね。
3. 人工股関節全置換術で脚長差を呈した症例
60代、女性。
階段で転倒、左大腿骨頚部骨折を受傷。
人工股関節全置換を施行されました。
脚長差あり。
術側の左脚が1㎝ほど「長く」なっていました。
「左脚が長い」となると骨盤は
・左側は高く
・右側は低く
なるはずです↓

しかし実際、骨盤は水平でした。
なぜでしょう??
この方は、両方X脚だったのですが
「長い方の左脚のX脚の方が強く」なっていて
偶然に?骨盤が水平だったのです( ゚Д゚)

なので、最初の段階では
インソールでの脚長差補正は行いませんでした。
が、今後、左股関節の筋力がアップしてきた段階で
もしX脚の度合に改善があれば
インソールが必要になるかもしれない
とお伝えしていました。
その後、段々と左股関節の筋力はつき
左のX脚が改善してきて
それに合わせて
左側の骨盤が高くなってくる
という経過をたどりました。
予想通りではありましたが
かなり時間がかかりました💦
術後から2年後くらいの話だったと思います。
その段階でインソール(ヒールパッド)で対処し
骨盤を水平に保てるようにしました。
長くフォローできてた方だったのでセーフ(;^_^
という症例でした。
術後の脚長差への対策は
・人工股関節を長持ちさせて使っていくために
・腰や膝など全身への負担軽減のために
非常に重要であると感じています。
4. まとめ
・人工股関節全置換術で脚長差が生じる可能性がある
・術後の脚長差チェックと対策は大事
お読み頂きありがとうございました。
この記事が皆様の健康の一助となりますように(^^)/
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