脚長差は仙腸関節痛の原因となるのか?2
- 村田育子(Ikuko Murata)
- 2021年6月22日
- 読了時間: 4分
更新日:6 日前
「痛みなどの身体のトラブルの解決・予防」をコンセプトに
パーソナルトレーナーとして活動しています、
理学療法士の村田育子です。
「姿勢改善」「ボディメイク」を得意としています^^
本日は
「脚長差は仙腸関節痛の原因となるのか?2」
というテーマでお話してみたいと思います。

以前の記事 で
脚が「長い方」の仙腸関節が痛くなるメカニズム
について解説しました。
本日は
脚が「短い方」の仙腸関節が痛くなるメカニズム
についてお話してみたいと思います。
同じ内容を You tube でもアップしています。
【目次】
1. 脚が短い方の仙腸関節は痛くなるのか?
2. 脚が短い方の仙腸関節にかかるストレス
3. 圧縮ストレスが仙腸関節の及ぼす影響
4. まとめ
1. 脚が短い方の仙腸関節は痛くなるのか?
実際の臨床では
「脚が長い方」の仙腸関節痛に
よく遭遇します。
しかし
「脚が短い方」の仙腸関節にも
痛くなるリスクは当然あります。
実際の臨床では
「短い方だけ痛い」というケースよりも
「両方痛い」というケースが多い印象です。
では、脚が短い方の仙腸関節には
どのようなストレスがかかっているのでしょうか?
2. 脚が短い方の仙腸関節にかかるストレス
例えば
右脚が長くて、左脚が短いとします。
立位では右の骨盤は高く
左の骨盤は低くなります。↓

↑右の仙腸関節では
重力線と仙腸関節が
平行に近くなっています。
反面
左の仙腸関節では
関節面と重力線が
しっかり交わっています。
この重力が
仙腸関節にどのようなストレスを与えているかを見るために
仙骨を取り出して
重力のベクトル分解をしてみます↓

重力を関節面への
・圧縮力(赤)
・剪断力(青)
に分解してみました。
脚が長い方の右仙腸関節では
圧縮力が少なく
剪断力が大きいです。
これは関節を
・圧迫する力は少なく
・ズラす力が大きい
ということになります。
総じて右仙腸関節(長い方)は
「不安定になりやすい」と言えます。
(詳しくは こちらの記事 参照)
反面
脚が短い方の左仙腸関節では
剪断力が小さく
圧縮力が大きいです。
これは関節を
・ズラす力は小さいが
・圧迫する力は大きい
ということです。
総じて左仙腸関節(短い方)は
安定した環境ではあるが
「押し潰されるストレスに常にさらされている」
ということになります。
3. 圧縮ストレスが仙腸関節に及ぼす影響
脚が短い方の仙腸関節では
剪断ストレスが少なく圧縮ストレスが多いため
関節が不安定になることでの痛みが生じる可能性は低い
と言えます。
しかし圧縮ストレスも
たくさんあればあるほど良い◎
という訳ではありません。
「圧縮ストレス」とは
関節面で骨と骨を押す・潰すようなストレスです。
関節面が「ゴリゴリ」されるイメージです。
ゴリゴリ潰されて関節面が破壊されると
骨増殖が生じます。
つまり
「変形してくる」ということです。
実際の臨床では
脚が短い方の仙腸関節の方が変形が進んでいるな
と感じる症例に遭遇します。
(脚が短い方の上後腸骨棘の骨隆起がゴツゴツ大きくなっている。)
この変形した骨それ自体が
痛みを発する訳ではないのですが
変形していく途中過程で
痛くなることはもちろん考えられます。
そんなこんなで
脚が短い方の仙腸関節も
痛くなるリスクは十分にあるのです。
つまりつまり
短い方の仙腸関節の変形を軽減させるためにも
脚長差がもしあったら
インソールなどで補正した方が良い
ということなのです。
4. まとめ
・脚が短い方の仙腸関節では圧縮ストレスが増加
・圧縮ストレスにより関節面が変形しやすい
・変形の過程で痛みが生じる可能性がある
・脚長差はインソールで対処した方が良い
お読み頂きありがとうございました。
この記事が皆さまの健康の一助となりますように(^^)/
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