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脚長差によって仙腸関節痛を呈した症例(ケーススタディ)

  • 執筆者の写真: 村田育子(Ikuko Murata)
    村田育子(Ikuko Murata)
  • 2021年6月15日
  • 読了時間: 4分

更新日:3 日前


はじめまして、こんにちは。


「痛みなどの身体のトラブルの解決・予防」をコンセプトに


パーソナルトレーナーとして活動しています、


理学療法士の村田育子です。


「姿勢改善」「ボディメイク」も得意としています^^





本日は


「脚長差による仙腸関節痛」について


実際の症例を通してお話してみたいと思います。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

本日の記事を読む前に


前回記事 を読んで頂くとより理解しやすいと思います。



同じ内容を You tube でもアップしています。





【目次】


1. 症例紹介


2. R様の立位姿勢


3. R様の歩行


4. R様への治療戦略


5. まとめ





1. 症例紹介

60代男性。


一番の悩みは左仙腸関節の痛み。


理学療法士パーソナルトレーナージムパーソナルトレーニング

30代の頃から出現。


常に痛い訳ではなく、時々痛い。


我慢できる程度だったため何となくごまかしてきた。


朝起きてすぐや


しばらく座っていて急に動いた時に痛くなるが


慎重に動き出せば回避できる…


とのことでした。




「起床直後」「急に動き出した時」というのは


筋活動が低い時であり


関節に不安定性があると


痛みを生じやすいタイミングです。


R様の左仙腸関節は


「不安定」で痛みが生じていると考えられました。


仙腸関節痛によく聞かれる典型例です。





2. R様の立位姿勢

それでは R様の立位姿勢を見てみます。

理学療法士パーソナルトレーナージム東京パーソナルトレーニング

(Tシャツで骨盤が見えないので線を引いています汗↑)


R様の骨盤は「左が高い」状態でした。



左の骨盤の方が高くなると


左の仙腸関節が重力線に対し平行に近づきます。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク
(骨盤を後ろから見た図 左図:左側が高い 右図:水平)

そうなると 左仙腸関節への


「ズレる力:剪断ストレス」が増加します。


(詳しくは 前回記事 を参照)




以上のことから


R様の左仙腸関節は


「剪断ストレスで不安定にさらされている」


と考えられました。




ではなぜ


R様の骨盤は左の方が高くなっていたのか?


その原因は「脚長差」でした。


左脚の方が右より少し長かったので


骨盤の左が高くなっていたのでした。





3. R様の歩行

次に R様の歩行を見てみます↓


右の着地の瞬間に


若干ですが重心が「ドシン」と落ちています。


右脚の方が短いからです。



では、長い方の左ではどうでしょうか?


骨盤が「クイッ」と


左側が高くなりながら揺れています。




右でドシン、左でクイッ


「ドシン・クイッ・ドシン・クイッ」


という歩行のリズムになっています。



スローで見てみるとより分かるかと思います↓


この左片脚にて


「骨盤の左側が高くなりながら揺れる動き」は


「勢いを持って左仙腸関節が重力線に近づく」


とうことです。


↑これが勢いよく起きてしまっている
↑これが勢いよく起きてしまっている

つまり歩行において


左仙腸関節は大きな「剪断力」に


さらされていることが分かります。





4. R様への治療戦略

R様の左仙腸関節痛の改善には


・立位で左の骨盤が高いこと


・歩行の左片脚で骨盤が左上に揺れること


この2つを修正することが必要です。



では いったい何をすれば良いでしょうか?



その答えはシンプルで


これらが生じている原因の「脚長差」に


アプローチする必要があります。



・短い右脚を伸ばすか?


・長い左脚を短くするか?


いやいやそれは不可能ですよね…



こんな時に頼りになるのがインソールです。


短い方の右踵部分の厚みを足して


「右脚を機能的に長くすること」で


左仙腸関節への剪断ストレスは軽減します。



R様の右靴下の中にヒールパッドを入れ


脚長差を補正した歩行がこれです↓


↑骨盤の揺れ方が均等になったのが分かるでしょうか?


右に2mmのヒールパッドを使用しています。


ご本人様も「バランスいいね!!」とのことでした。


(たった2mmでこんなに変わるの!?と驚いた症例でもありました。)



R様にはスリッパと靴に


インソールを使用して過ごしてもらいました。


加えてトレーニングの成果もあり


姿勢も少しずつ変化が見られ…↓

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

左仙腸関節の痛みはほぼ消失して経過しています(^^)/





※理学療法士目線では左立脚でのトレンデレン→左中殿筋の筋トレ、とよく学校では習いますが、実際R様のように脚長差で長い側がトレンデレンしている場合、中殿筋は反対側よりも強くなっていることが多いです(毎回左片脚で中殿筋を遠心性収縮で鍛えているから!!)。なぜトレンデレンになっているのか?という目線が重要かなと思います。





5. まとめ

・R様は左脚の方が長い脚長差があった


・立位では骨盤が左が高くなっていた


・歩行左立脚では骨盤が左上へ揺れていた


・結果 左仙腸関節には剪断ストレスがかかっていた


・右へのヒールパッドで脚長差を補正した


・左仙腸関節痛は改善した





お読み頂きありがとうございました。


この記事が皆様の健康の一助となりますように(^^)/




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