事例紹介 S様の腰痛 ④ ~腰椎の後ろへのズレ~

こんにちは!


東京でパーソナルトレーナー・理学療法士として活動中の村田育子です。


本日も現在連載中のS様の腰について解説します。


「S様の腰痛①~③」の記事ではS様の腰の「左右のズレ」について解説してきました。


今回の記事ではS様の腰の「前後のズレ」について解説していきます。


①~③とはまた別の話なので、この記事単品でも理解できる内容です。


「腰痛」や「猫背」にお悩みの方、特に整形外科で「腰椎滑り症」とドクターに言われた方に是非読んで頂きたい内容です。




目次


1、S様の腰の骨(腰椎)はどうズレているのか?


2、S様の腰の骨(腰椎)はなぜ後ろにズレたのか?


3、もしズレたままだと将来どうなるのか?


4、その後の経過。ズレが改善!


5、まとめ



1、S様の腰の骨(腰椎)はどうズレているのか?

ズバリ、S様の腰の骨(腰椎)は、後ろにズレていました。


と、その前に腰の骨「腰椎」について軽く説明させて頂きます。



「腰椎」は5つあって(たまに6個の人もいます)


下からL5、L4、L3、L2、L1と積み上がっています。


これら腰椎がズレずにちゃんと並んでいれば、

背骨を上からスーッと触っても特にガタガタしてません。




しかしS様の場合、背骨をスーッと触ってみるとですね、デコボコしているところがあったんですよ。


L4がL5に対して後ろに少しですがボコっと飛び出ていました。


L3もL4と一緒に少し後ろにある印象でした。


こんな感じ↓


専門用語でいうと「L4の後方滑り」となります。


と言ってもレントゲン情報がないので、本当にL4が後方に滑って(ズレて)いるかは分かりません。

(L4の棘突起が単に大きいだけかもしれませんし。)


しかし「むむむ・・・これは・・・」と思ったくらいL4は後ろにある印象でした。


(加えるとL2は少し前方でした。しかしL2/3間ではL4/5間程のデコボコ感はなかったのでそんなに心配な状態ではない印象でした。)




と、ここで、整形外科分野に詳しい人だと


L4が後方?前方じゃなくて??


となったと思います。


「腰椎の変性滑り症」という疾患は「下の椎体に対して上の椎体が前に滑る」というのが良くあるパターンで、加えて頻発するのがS様の年代の女性の「L4の前方滑り」です(S様は50代)。


私も「L4前方滑り」の方、今までに何度も遭遇してきました。


なので今回は少々レアなケースかと思います。


(背骨の歪み方というのは本当にバラエティに富んでいて、おぉこんな所に歪んできたの!?と時々感心さえすることもあります。なので背骨を評価するときは、できるだけ雑念を払いフラットな目線でチェックするように心掛けております・・・が、それでも間違えることあります汗。)



2、S様の腰の骨(腰椎)はなぜ後ろにズレたのか?

ではなぜS様のL4は後ろにズレてしまったのでしょうか?


原因は「前のめり」姿勢が大きく影響しているようでした。


S様、かなりの「前方重心」の癖。


胸(胸郭)を前に突き出した「前のめり」姿勢の持ち主でした。


この「前のめり」姿勢のままで、私が後ろに飛び出たL3~4を前に戻そうとすると、ほとんど動かない。


つまり、L3~4を正常な位置に戻そうとしても、戻らない。





次に「前のめり姿勢」を修正した状態でトライしてみます。


後ろに飛び出たL4~3は少し修正しやすい印象がありました。


さて、これは何を意味すると思いますか?




これは


「前重心の姿勢を腰椎を後ろにズラすことで対応している可能性がある」


ということを意味します。


ちょっと難しいですよね汗。




言い換えると


胸(胸郭)を前に突き出す癖があります

   ↓

そのままでは前にバランスを崩します(゚Д゚;)

   ↓

それはマズイ(゚Д゚;)

   ↓

胸(胸郭)を後ろに戻せばええやないですか(・∀・)

   ↓

だからそれが難しいんだってば、癖なんだもん(・ω・)

   ↓

バランスを保つには胸郭以外の「どこか他のパーツ」を後ろにズラす必要がある

  ↓

よっしゃ、じゃぁ腰椎を後ろにズラしましょかー(゚Д゚)ノ


S様の身体ではこういうことが起こっていると予想されるのです。




←つまりこのように


・胸は前へ


・腰は後ろへ


という「逆のベクトルで力を相殺して安定を得ている」ということです。





裏を返せば(てゆーか返さなくても)


L3~4を修正したいならば、L3~4に直接アプローチすることも必要かもしれないけど、


胸(胸郭)を前に突き出した「前のめり」の癖を修正しながらでないと効果は得られにくいということです。


というか、胸郭の位置異常を修正することで自然と勝手にL3~4が修正されないだろうかと狙うのがまず第一選択となるべきです。

(なぜかと言うと、腰を直接いじるのは少々危険を伴うからです、特にS様の場合L4を前に押すアプローチはL5を前に出してしまう危険が伴います。)



で、もちのろんですが、この時に腰が右にひん曲がっていたら話が前に進まないので、左右の歪みの修正は必須案件となるのです。(→S様の腰の左右差問題の記事



3、もしズレたままだと将来どうなるのか?

もしこのままの状態だとS様の腰はどうなるでしょうか?


現在S様は50代。


あと30年


←このベクトルの力をかけ続けたら、


S様の腰はどうなるでしょう?


高齢患者さんをたくさん見てきた(最高確か108歳)理学療法士の私が80代のS様の未来予測をしてみます。(ちょっと専門用語を使いますので読み流して下さい。)



まずL4はさらに後ろにズレるでしょう。


そして圧迫骨折します。


今流行りの「いつの間にか骨折」です。(CMやってましたよね?)






そして後ろにズレて圧迫骨折したL4はL5に嵌入していく可能性さえあります、稀にね。


そうなるとL5も骨折です。



そうこうしているうちにL3も圧迫骨折してくるでしょう、いつの間にか。



L4とL3それ自体とその間の椎間板は後方へ押し寄せるため神経を圧迫し「脊柱管狭窄症」まっしぐら案件です。


5分も歩くと脚ビリビリです。


ただ、L4/5ファセットへの圧縮ストレスは少ないので、ファセットでの骨棘形成や椎間孔狭窄による神経根症状は出にくいでしょう。

(しかしL2/3で神経根症状が出ないとは言い切れません。)


そして脚ビリビリの症状が出てから整形外科に受診すると、脊柱管拡大術などの手術をお勧めされるかもしれませんね。


そして実はこの段階では、私がお助けできることにも限界が出てきます。


もちろん姿勢を改善させるためのエクササイズはお伝えできます。


しかし神経を圧迫している組織(骨や軟骨)それ自体を除去できないのです、私は。。。涙


これ以上悪化させないようサポートはできますが、症状が改善するかどうかについては「あわよくば」というニュアンスになってしまいます。


そして運悪く馬尾症状が本当に本当に深刻になって排尿排便障害とかが出てきてしまうと、手術は避けられないでしょう・・・。







はい。


脅しでした!


でもね、全然リアルですよ。


私の経験上、全然リアルです。

(意を決して手術して、結果、脚がマヒして動けなくなったという人も見てきました。)


つまり何を言いたいかと言うとですね!

S様は50代の今のうちから頑張っておいた方が良いんですっ!



4、その後の経過。ズレが改善!

そんなS様の腰ですが、3回目のセッションで腰椎の後ろへのズレが少し改善していました。


S様に行ったアプローチは


①インソールで骨盤を水平にしたこと(2回目)


②胸郭の位置修正(オンラインのグループレッスンをほぼ毎週)


です。


腰には触ってません。


前述しましたが、腰を直接いじるのは少々リスキーなケースだったので腰に対しては何もしておりませんでした。


オンラインレッスンでも結構効果あるやん(゜゜)と正直私もちょっとびっくりでした。




腰椎の前方滑りは諦めなきゃいけない部分もありますが、


・後方滑りはこうやって多少改善が望めること


・腰はやっぱりダイレクトにいじらなくても良い


ということを再確認したケースでもありました。


5、まとめ

・S様のL4は後方にズレていた

・S様の胸郭を前に突き出した前のめりの姿勢が、L4を後ろにズラす元凶と考えられた

・インソールと胸郭のエクササイズでL4の後方ズレがちょっと改善した!

・S様50代だったから改善したけど、これ60代だったら無理だったかもなぁ・・・

・早めの予防が得策じゃ!




同様の内容を動く私が解説しています → YouTube


S様の腰の「左右の歪み」についてはこちらのブログ記事

S様の腰痛①~腰が真っすぐじゃない~

S様の腰痛②~エクササイズで腰痛勃発~」

S様の腰痛③~インソールあり・なしでの比較~

YouTube でも解説しています。



S様のようなレアケースの滑りではなく、良くある「L4前方滑り」についてはまた別の記事でアップしたいと思います!(^^)!



この記事があなたの身体を少しでも改善するヒントとなりますように!

お読み頂きありがとうございました。


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