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脚長差(足の長さが左右違う)は股関節痛の原因となるのか?

  • 執筆者の写真: 村田育子(Ikuko Murata)
    村田育子(Ikuko Murata)
  • 2021年5月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:3月26日



はじめまして、こんにちは。


「痛みなどトラブルの解決・予防」をコンセプトに


パーソナルトレーナーとして活動しています、理学療法士の村田育子です。


「姿勢改善」「ボディメイク」も得意としています(^^)/





本日は「脚長差は股関節痛の原因となるのか」


というテーマでお話してみたいと思います。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク


同じ内容を You tube でもアップしています。





【目次】


1. 脚長差があると股関節は痛くなるのか?


2. 股関節の変形の仕方


3. 脚長差が股関節を変形させるメカニズム 


4. 脚長差によって股関節の変形を呈した症例


5. まとめ





1. 脚長差があると股関節は痛くなるのか?

脚長差によって股関節が痛くなる可能性は


十分にあります。



なぜ脚長差で股関節が痛くなるのか?


それを理解するために


まずは「股関節の変形の仕方」について


説明してみたいと思います。





2. 股関節の変形の仕方

「股関節」は


大腿骨頭(だいたいこっとう)」に


臼蓋(きゅうがい)」が


覆いかぶさった構造をしています。


太ももの骨の付け根のボール(大腿骨頭)に対し


という骨盤のカップ(臼蓋)


覆い被さった構造、ということです。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

ではこの股関節に負担がかかると


どこから壊れてくるでしょうか?



大抵の場合「臼蓋の上側」から壊れてきます。


黒く塗った部分です↓

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

なぜ上側なのかというのは


股関節が不安定になると


大腿骨頭は「上外側」にズレる


傾向があるからです。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

このように骨頭が斜め上方向にズレると


臼蓋の上側をゴリゴリしてしまう


(剪断ストレスが生じる)


のはイメージがつくかと思います。




以上のように 股関節の変形は


骨頭の上外側へのズレ

臼蓋の上方の削れ


というように起こってきます。





3. 脚長差が股関節を変形させるメカニズム

では本題の


「なぜ脚長差は股関節痛を引き起こすのか?」


ということについて考えてみます。




まず脚が短い方の股関節には


歩行時に「衝撃」というストレスがかかります。


それによって股関節に負担がかかる可能があります。


詳しくは以前の記事「脚長差でひざは痛くなる?」と同じなので割愛します。


本日は「長い方の股関節にかかるストレス」に


焦点を当てて解説したいと思います。


(なぜなら長い方のが深刻だからです)




さて、脚長差があると長い側の股関節には


どのようなストレスがかかるでしょうか?



まず脚長差があると


このように骨盤が傾きます↓

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

向かって左、骨盤が高い方、


つまり脚が長い方の股関節はどうなっているでしょうか?



反対と比べ


「臼蓋の覆いかぶさり度が少ない」


のが分かるでしょうか。



臼蓋の覆いかぶさりが少なくなったため


骨頭の外側の露出面が多くなっています(赤部分)↓

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

外側に露出してしまった骨頭は


どの方向にズレてしまいそうでしょうか?



そう、「上外側」にズレそうですよね↓

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

股関節の変形のメカニズムの項で


「大腿骨頭は上外側にズレて臼蓋をゴリゴリしてくる」


前述しましたが、


脚長差があると長い側の股関節ではこのように


骨頭が上外側にズレる力が明らかに増加します



つまり


臼蓋は削られるストレスに常にさらされており


変形が進行していく…ということなのです。





4. 脚長差によって股関節の変形を呈した症例

70代の女性。


「数年前は右の股関節がとても痛かった」


「でも最近は痛みは少ない」


という状態でした。



この方、


私が初めて身体を見させてもらった時は


脚長差はありませんでした


しかし レントゲンでは


右股関節は変形していて


かなりかなり削れている状態でした。



これだけ右股関節だけが削れていて


(大転子の位置も上方化しているのに)


脚長差が「全くない」だと…?


かなりおかしいです。



つまりこの方は


「以前は右脚の方が長かった」


と考えられます。



右股関節がとても痛かった約5年前のレントゲンを確認すると


まだあまり削られていない状態でした。


「削れ始めている時期」と言った方が適切かもしれません。


約1年ごとのレントゲンもありましたが


年々右股関節が少しずつ…でも着実に


削れていっているのが確認できました涙。




股関節を削ることによって


実質 脚長差が「なくなった」段階で


骨盤は水平に保たれ


右股関節の変形の進行も減り


減り痛みも減っていた という症例でした。



脚長差が長い側の股関節を削る


ということを肌で感じた症例でした。




5年前の段階で


インソールで骨盤の傾きを改善させていたら…


正直そう思わざる得ない症例でした。





5. まとめ

・大腿骨頭は上外側へ不安定になる傾向がある


・大腿骨頭のズレは臼蓋を削り変形させる


・脚長差があると脚が長い方では

     ↓

 臼蓋のかぶさりが浅くなる

     ↓

 骨頭が上外側へズレる

     ↓

 臼蓋が変形する

     ↓

 股関節が痛くなる


・脚長差に対応し股関節の変形を予防しよう





お読み頂きありがとうございました。


この記事が皆さまの健康の一助となりますように!(^^)!










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