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脚長差による股関節の痛み。長い側と短い側、どちらが痛くなる? ~論文から考察~

【筋肉/関節のトラブルに対する解決・予防の考え方をブログとYouTubeで発信しています】


こんにちは。理学療法士/パーソナルトレーナーの村田育子です。


現在「脚長差」についてシリーズで解説しています(シリーズ目次)。


前回は、脚長差(左右の足の長さが違う)が股関節に与える影響についてお話しました。


本日はそれに関連し、長い側と短い側、どちらの股関節が痛くなりやすいか、というテーマについて論文を紹介しながら考えていきたいと思います。



【目次】


1、長い側、短い側どちらの股関節が痛くなるのか?


2、短い側の股関節が痛くなる、という研究結果が出た論文を紹介


3、長い側の股関節が痛くなる、という研究結果が出た論文を紹介


4、まとめ:臨床経験を踏まえての私の見解



1、長い側、短い側どちらの股関節が痛くなるのか?

前回の記事では


・短い側の股関節では「衝撃」というストレスが関節を傷つけ


・長い側の股関節では「剪断(ズレる力)」というストレスが関節を不安定にさせ傷つける


ということをお話しました。


つまり脚長差(脚の長さの左右差)があると、短い側も長い側もどちらも股関節は痛くなるリスクはあるのですが、


どっちの方が深刻になりやすいのかぁとはやっぱり疑問に思いますよね。


というか、私自身の疑問なんです(^_^;)


今日はそんな疑問について、論文をピックアップしながら一緒に考察していければと思います(^^)/



2、短い側の股関節が痛くなる、という研究結果が出た論文

まず一つ目に紹介する論文。


こちらは以前の「脚長差があると膝は痛くなるのか?」という記事で紹介した論文の研究結果(短い側の膝が痛くなりやすいという結果でした)を受けて


「股関節もそうなんじゃないの!?」という予想の元、行われた研究です。


アメリカの論文です。


Chan Kim: Leg length inequality and hip osteoarthritis in the multicenter osteoarthritis study and the osteoarthritis initiative: Arthritis Rheumatol 2018 Oct; 70(10): 1572–1576.



こちらの研究は3-5年後の股関節のレントゲン写真で、骨変形の進行度合いで判断しています。


結果はというと・・・


短い側の股関節では変形の度合いが大きかった」


でした。


短い脚の方が骨の変形進んでた、という結果だったんですねー。




そうなんだぁ。。。まぁ、そりゃ、衝撃がかかるからねぇ。。。確かにねぇ。。。


しかし長い側の股関節ってもっと深刻なイメージあったりするんだけどなぁ。。。


でも確かに短い方が痛いっていう人多いしなぁ。。。


なんて感じつつ読んでおりました。



3、長い側の股関節が痛くなる、という研究結果が出た論文

では、次は「長い側の股関節が痛くなる」という研究結果が出た論文を紹介します。


フィンランドの論文です。


Kaj Tallroth, Leena Ristolainen and Mikko Manninen: Is a long leg a risk for hip or knee osteoarthritis?: Acta Orthop. 2017 Oct; 88(5): 512–515.



この研究では股関節に問題がなかった193人のうち、25年後にいったい何人の人が股・膝関節の「手術」に踏み切ったか?という調査研究です。


おぉぉぉ。興味深いですね。


まず193人の被験者には


・12%:差なし

・32%:1〜4 mmの差

・38%:5〜8 mmの差

・11%:9〜12mmの差

・6%:12 mmを超える差


という脚長差がありました。



そして25年後。


この193人のうち


16人の人が関節の手術を受けていました(膝8例、股関節8例)。


この16人のうち、3人は脚長差なしの人で、残りの13人は脚長差がある人でした。


そしてこの脚長差があって手術を受けた13人のうち


短い側の関節に手術をしたのが3人、

長い側の関節に手術をしたのが10人でした。


これ。びっくりしません?


とーーーーーても興味深いです。


長い側の手術をした人は、短い側の約3倍でした。


いやぁ。興味深いです。





4、まとめ:臨床経験を踏まえての私の見解

ということで、相反する研究結果が出た論文を2つ紹介しました。


勉強になりましたね!



・・・。


で!?結局どっちなんだよ!?


という声が聞こえてきそうです汗。




臨床経験を踏まえての私の見解を述べさせて頂くと・・・


そんなのどっちも痛くなるよー!骨盤傾いてんだもん(;゚Д゚)


です。



シンプルに言うとですね、どっちにも負担が来るんですよ。


で、どっちから痛くなるかは人それぞれですわ。


私の感覚では、長い側が深刻だなぁと感じる症例が多い印象はありますが、一概には言えないし、てゆーかほぼ全例で両側に問題が出てると感じています。


結局私が言いたいのはですね、骨盤を水平にしてバランスを取って関節への負担を減らしましょう!ということ\(^o^)/


つまり、脚長差があるならインソールでの対処が重要ですよ、ということでありました(^^)/

(もちろんそのアセスメントが前提条件であることは言うまでもありませんが。)





本日は以上になります。

お読み頂きありがとうございました。

本日の記事は動く私(YouTube)の解説はありません(*‘∀‘)

この記事があなたの身体を少しでも改善するヒントとなりますように!



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