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脚長差の原因 ~ペルテス病~

  • 執筆者の写真: 村田育子(Ikuko Murata)
    村田育子(Ikuko Murata)
  • 2021年8月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月11日



「痛みなどの身体のトラブルの解決・予防」


をコンセプトに


パーソナルトレーナーとして活動しています


理学療法士の村田育子です。


「姿勢改善」「ボディメイク」を得意としています^^





本日は


「ペルテス病は脚長差の原因となるのか?」


というテーマでお話してみたいと思います。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク

同じ内容を You tube でもアップしています。





【目次】


1. ペルテス病とは


2. ペルテス病で脚長差が生じる理由


3. ペルテス病で脚長差を呈した症例


4. まとめ





1. ペルテス病とは

ペルテス病とは


「成長期において一時的に


大腿骨頭が壊死してしまう病気」です。



「大腿骨頭」とは


太ももの付け根部分のことを言います↓

理学療法士 PT ジム 東京 パーソナルトレーニング 予防 ボディメイク パーソナルトレーナー

ペルテス病ではこの大腿骨頭が


成長期において一時的に


壊死(組織が死んでしまう)しますが


3~5年で壊死は止まります。



ペルテス病の原因は


「大腿骨頭への血管が


何らかの理由で閉鎖してしまうこと」


と言われていますが


3~5年で血管が再開通するからです。



しかし骨頭が壊死している最中に体重を乗せてしまうと


骨頭が潰れてしまい


治癒した時に潰れた状態で固まってしまいます。



なのでペルテス病では


装具を使って


できるだけ骨頭に体重をかけないようにします。

理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク
引用元:標準整形外科学 第8版

↑ この写真では左側がペルテス側です。


装具を使用することで


左足が浮いた状態でも


立ったり歩いたりできます。



このように骨頭を極力 潰さないようにすることが


保存療法での主な治療戦略です。


(手術もありますがここでは割愛します。)





2. ペルテス病で脚長差が生じる理由

ペルテス病では


壊死した大腿骨頭に体重を乗せると骨頭が潰れるため


骨頭が潰れた分、


脚は短くなる可能性があります。



つまり、ペルテス病側の脚が短くなる


ということです。




このレントゲンでは


向かって左側の骨頭が壊死しています。


理学療法士のいるジム(東京)パーソナルトレーニングで予防とボディメイク
(引用元:標準整形外科学 第8版)

この骨頭が潰れた分だけ脚が短くなり


脚長差が生じる


という訳です。





3. ペルテス病で脚長差を呈した症例

20代前半男性。


お悩みは腰痛(ぎっくり腰)。


当時、股関節にはトラブルはありませんでしたが


子供の頃はペルテス病で大変だった、とのこと。



ペルテス病については


手術を勧められたが


いくつかセカンドオピニオンして


最終的に装具で治療していくことに決め


スポーツも止めて毎日装具を着けて頑張った


とのことでした。




お身体をチェックしたところ


大きめの脚長差があり、


その影響による腰痛であることが明らかでした。



案の定ペルテス病側の脚が短く


「2cm程度」という結構大きめの差がありました。



インソールでの調整だけで済めば良かったのですが


脚長差が大きく


インソールだけでは靴がパカパカ脱げてしまい


アウトソールも含め帳尻を合わせた症例でした。


(駅にある靴底修理のお店に行ってもらった。)



20代前半と若いこともあり


靴の調整だけで


腰痛はしばらくして消失しました。




この症例を通しての私の率直な感想はというと


「何でこんな大きな脚長差が放置されてるの!?」


「そりゃ20代でぎっくりにもなるよ!」


でした。




ペルテス病では


治癒の段階で脚長差は確定されます。


その時点で脚長差をチェックするような体制が


もうちょっと医療の中にあっても良いのでは…


と思えてならない症例でした。


もちろん


脚長差の対応をしているお医者さんはいます。


でも実際の臨床で


このような症例に出くわすのが現状です。



脚長差に対して適切に対処されていれば


腰痛も予防できていた可能性もあるのでは…


というか何よりも


「今後、変形性股関節症へ移行していくリスクを


大きく減らせる」


と思うのです。


これが何よりも大事です。




子供時代の病気ゆえ


ペルテス病のお子さんを持つ親御さんには


専門家に脚長のチェックをしてもらった方が良い


ということを知ってもらえると良いなと思います。





4. まとめ

・ペルテス病では成長期に大腿骨頭が壊死する


・骨頭が壊死している時に荷重すると骨頭が潰れる


・潰れた分、脚は短くなり脚長差の原因となる


・ペルテス病では治癒後の脚長差チェック/対処が重要と考える





本日は以上です。


お読み頂きありがとうございました。


この記事が皆さまの健康の一助となりますように(^^)/




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