脚長差があると「腰」は痛くなるのか?

こんにちは!

東京を中心にパーソナルトレーナー・理学療法士として活動しています、村田育子です。


現在「脚長差」についてシリーズで解説中(シリーズ目次


そんな今日のテーマは


「脚長差は腰にどんな影響を与えるか」についてです。





【目次】


1、脚長差があると腰は痛くなるのか?

2、脚長差は腰にどんなストレスをかけるのか?

3、圧縮ストレスは腰をどう壊していくか?

4、脚長差があると、立ち仕事とデスクワークどちらで腰痛のリスクが高い?

5、まとめ



1、脚長差があると腰は痛くなるのか?

脚長差(脚の長さの左右差)があると、腰は痛くなると思いますか?


私の答えは迷わず「YES」です。


脚長差があると腰は痛くなりやすいです。


理由はいたってシンプル。


骨盤が傾くからです。


骨盤の傾斜は全身に影響しますが、より近い部位へ影響が強いのは明らかですよね。


近い部位というと、仙腸関節、股関節、腰あたり。


今日はその中から「腰」にフォーカスを当ててお話していきます。



2、脚長差は腰にどんなストレスをかけるのか?

脚長差があると腰にどんなストレスがかかるでしょうか?


それはズバリ!


「圧縮ストレス」です。



例えば、右の脚の方が長いとします。


すると、立っている状態では右の骨盤は高く、左の骨盤は低くなります。


このように骨盤が傾いた状態で、腰は真っすぐのままだとどうなるでしょうか?

↑ 傾いた人になりますw


つまり、変な人になりますw


では、実際はどうしているのでしょうか?

↑ 脚長差がある場合、実際はこのように無意識のうちに腰を「横に曲げて」バランスを取っていることがほとんどです。


人間の自然の反応です。


するとどうでしょうか?


右の腰は潰れて、左の腰は伸びていますね。

この「潰れ」=「圧縮ストレス」で、「伸び」=「伸張ストレス」となります。


どちらも組織にとってはメカニカルなストレスとなり痛みを誘発する可能性がありますが、


腰の関節(椎間関節)においては、この「圧縮ストレス」は痛みとして出やすい存在です。


腰の関節面(椎間関節)には痛覚神経が豊富で、このような「押して」「潰しされる」ような圧縮ストレスは痛みとなりやすいのです。


(伸張ストレスも本当は説明したいし、もうちょっと掘り下げると剪断ストレスもありますが、ややこしくなるから今日は触れませぬ。)


(こちらも参考まで→ケーススタディ:脚長差での腰痛




3、圧縮ストレスは腰をどう壊していくのか?

この圧縮ストレス。


長年ずーっとかけ続けると、腰の関節はどうなると思いますか?


答えはシンプル。


関節は壊れます。


少しずつ、そして着実に破壊されていきます。


長年ある物体を押し潰し続けたら、すり減っていくのは簡単にイメージがつくかと。


同じように腰の関節面もすり減っていきます。


ただ、骨はただの物体と違って「生きている」ので、すり減りに対して骨細胞は負けじと反応して増殖します。


増えるんですよ、骨の細胞が。


しかもキレイに増えることはできなくて、ゴツゴツ、デコボコ増殖します。


これは「圧縮ストレスに対応した形」で増殖していくからです。




ここで問題なのが、これが「腰」で起きるということ。


骨増殖それ自体が痛みを誘発する訳ではないんです。


しかしですよ、腰はさ、神経がさ、たくさん通っているではないですか汗。


運悪く増殖した骨が神経に当たると慢性的な脚の痺れなどに繋がります。



ここで、以前私が担当した患者さんのレントゲンを。


この方は右脚の方が長かった。確か1㎝くらいの差でしたね。


90歳を超えている方です。


どんっ!

右脚が長いため下の腰椎は左に倒れ込み、上の腰椎は右に立ち直ってますね。


すると、ここに圧縮ストレスがかかる訳です↓

丸で囲った部分、他の部位より白くなっていますね、分かるでしょうか?


これが増殖した骨のゴツゴツ、トゲトゲです。


CTでこの部分を見るともっと分かりやすいかもです。これです↓

ね。ゴツゴツです。


骨への圧縮ストレスの蓄積は、骨をこんな感じに変性させていきます。


(ちなみにこちらの方、L5の左側にとてつもなく大きな骨棘ができています。これはL1、L2が左に落ちる力のベクトルに対してL5の左側が下から突き上げられる力のベクトルで対応した結果と思われます。とても興味深いですが難しくなるので今日は詳しくは触れませぬ。)



ここまでをまとめると、

脚長差があると骨盤は傾く

→脚が長い側の骨盤が高くなる

→腰は自然と横に曲がる

→曲がった側に圧縮ストレスがかかり痛くなる

→関節は破壊される

→骨がゴツゴツしてくる

→運が悪いと神経に当たって脚が痺れることも(坐骨神経痛的な感じ)

ですっ!



4、脚長差があると、立ち仕事とデスクワーク、どちらで腰痛のリスクが高い?

ズバリ、立ち仕事です。


「デスクワークで腰を痛める~」という声を良く聞きますが、


脚長差が原因で腰を痛める場合、理論上、座り姿勢は関係してきません。


だって座っちゃえば脚の長さは関係ないからね~(≧◇≦)




こちらはそんな疑問について研究しているフィンランドの論文です。

参考文献:Satu Ranniso et al. Leg-length discrepancy is associated with low back pain among those who must stand while working. BMC Musculoskelet Disord. 2015 May 7


結果は、立ち仕事の人達(肉切り職人さん)において脚長差(6mm以上)と腰痛の関連が認められましたが、座り仕事(カスタマーサービスさん)の人達では認められませんでした。


脚長差が立ち姿勢において骨盤を傾け、それが腰にストレスをかけているということを示唆している研究です。


ちなみにこちらの研究では、44~49%に少なくとも6mmの脚長差があり、15~16%に少なくとも11mmの脚長差があるという結果の元、研究が行われていました。


やはり。。。脚長差、多いです。


(ちなみにちなみに、この研究では脚長差をレーザー超音波で計測しています。なんかすごそう。脚長差を正確に計測する術については皆やはり試行錯誤なのでしょうね。正確に測れるなら私もレーザー欲しい~!でも絶対高い~w)



5、まとめ

・脚長差があると腰は痛くなるリスクが高い。

・脚が長い側の骨盤が高くなり、腰に圧縮ストレスがかかる。

・長年の圧縮ストレスは関節をすり減らし、変形させる。

・脚長差があるとデスクワークより立ち仕事で腰痛が出やすい。

・脚長差補正で解決される腰痛は世の中にたくさん転がってると思うよ!




お読み頂きありがとうございました。


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次回は脚長差は腰の椎間板ヘルニアのリスクを高めるのか?というテーマでお話していきます。


この記事があなたの身体を少しでも改善するヒントとなりますように!




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